【新築】三面道路の視線も気にならない 庭と吹き抜けが中心の住まい
(長野市 / M邸 / 夫婦2人+子ども1人)
「いい意味で家らしくない、モダンなデザインが気に入って」とM-STYLE HOUSE(エムスタイルハウス)に設計を依頼したMさん夫妻。駅から徒歩圏内という条件で探し当てた敷地は三方を道路に囲まれ、特に南側は交通量が多い生活道路に面する立地。南側全面に開口を作れば室内は明るくなるが、LDKが丸見えになってしまう。そこで設計士の酒井良子さんが提案したのは、あえて南側の大部分を壁で閉じ、南西角にプライベートガーデンを作るプラン。住まいの中心は、庭に面した伸びやかな吹き抜けのダイニングだ。二層の開口からの光が上下階に行き渡り、明るく開放的ながら外の視線を気にせずくつろげる。「SE構法なら高い耐震性を保ちつつ、鉄骨造並みの大空間や大開口を実現できるんです」と酒井さん。
リビングとダイニングをワンルームにせず緩やかに分けた間取りは、「食卓の近くにテレビがあると家族の会話が減りそうで。しつけの意味でも分けたいと思いました」と奥さま。普段はダイニングで、くつろぎや子どもと遊ぶ時はリビングに移動してと気分が切り替わる上、「開放感を求めたダイニングとは対象的に、天井が低いリビングは落ち着いた印象」とご主人も頷く。豊富なキッチン収納や趣味のスポーツウェアもすっきり収納できる広いWIC、入浴後すぐ手が届く位置に下着や子どもの着替えを収納するなど、ご夫妻の希望を踏まえたスムーズな動線や収納も酒井さんと密に相談して実現。便利さと快適さを兼ね備えた住まいとなった。
(ナガノの家 Vol.12 2019年秋・冬号掲載掲載)
開放的な吹き抜けのダイニングが住まいの中心。木造ながら徹底した構造計算を行うSE構法では、柱や壁が少なく、かつ耐震性の高い空間を実現できる。キャンティレバー構造の軽やかな階段は、「スケルトン階段は不安、でも箱型階段では重すぎる」との夫妻の希望から実現。オーク無垢材フローリングにレッドシダー貼りの天井など木の色と白をベースにしながら、スチールの手すりや家具など黒をポイントに使って引き締めている
右奥のダイニングと区切ったリビング。プライベートガーデンに面した正面の開口には天井まであるハイサッシを選び、光と眺望を伸びやかに取り込んでいるため閉塞感は感じない。吹き抜けの開放的なダイニングに対して天井高が低く、高低差のメリハリが気分を切り替えてくれる
窓から光が降り注ぐダイニング。玄関との間は格子で緩やかに遮り、その向こうにリビングが見える配置に
オープンスタイルのキッチンは、手元を隠して生活感が出ないよう配慮。背面は高身長のご夫妻に合わせて天井までフル活用
キッチンはご夫妻の身長に合わせて高めに設定。ダイニングから見えない左奥にパントリーを設け、食品ストックなどを収納している
帰宅後、玄関から脱衣室に直行できるレイアウト。キッチン隣なので家事もスムーズだ。湯上りにすぐ手に取れる位置にタオルや下着、部屋着などを収納
奥さま(右)と設計士の酒井さん。女性ならではの目線で寄り添ってくれ、心強い味方だったという。今ではすっかり友達のよう
道路からの視線を植栽でさりげなく遮ったプライベートガーデン。さわやかな白いタイルデッキが室内外の緩衝材となり、深い軒が夏場の日差しを遮ってくれる
階下を見下ろした景色。2階にいても開放感が味わえ、家のなかを歩くだけで清々しい気分になる
開放的で気持ちのいいダイニングキッチンは、上下階との連携も楽しめる
2階の子ども部屋は、将来2部屋に仕切れるよう出入り口を2つに。隣にはもう1つ洋室を備えている
ツートーンで調えられたモダンな印象の外観。交通量の多い道路に面する南側をあえて壁で閉じ、東西の窓から光を取り込む。一見クローズドのようだが室内は驚くほど明るく開放的で、そのギャップに驚かされる
- 竣工年月/ 2019年 3月
- 所在地/長野市
- エリア/長野
- 階数/1階
- 工法/木造軸組工法
- 延床面積/ 113.75㎡ ( 34.40坪 )
- 1F/ 69.15㎡ ( 20.91坪 )
- 2F/ 44.60㎡ ( 13.49坪 )
◆設計・施工◆